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2011年5月 1日 (日)

GGG加盟申請書 2-1海と陸が出会い、新しい大地が誕生する最前線

2.ジオパーク候補地の自然地理学並びに人文地理学上の特徴

2-1.海と陸が出会い、新しい大地が誕生する最前線

 そこは世界の中でも自然環境が厳しい場所のひとつだ。約100~150年おきに巨大地震が大地を揺さぶり、大津波が沿岸を飲み込み、その間には毎年のように台風が吹き荒れる。それでも太平洋に突き出した室戸半島には、豊かで文化的な生活が1,000年以上にわたって営み続けられている。室戸ジオパークは、この惑星・地球における最も活動的な縁辺域のひとつであり、厳しい自然環境と共存している人々の生き様を紹介する。

 室戸ジオパークの沖合140km先では、フィリピン海プレートが沈み込んでおり、南海トラフの堆積物が次々に陸側に押しつけられて付加体を形成している。その一部を室戸岬で見て触れることができる。脈々と続く付加作用によって、地層は垂直にまで傾き(図A-1)、かって海底にあった堆積物が陸地に現れている。これは世界の大陸地殻形成の初期プロセスそのものであり、私たちは大陸成長の最前線を目撃していることになる。室戸岬は1~2m/千年と世界でも有数の隆起量を誇っており、海岸は見上げるような段丘崖が続き、その上には標高180mの段丘平坦面が広がっている。訪問者は、過去1億年にわたる付加体の形成史、海嶺の沈み込みに伴う一時的な海底火山活動といった地質学的スケールのイベントを記録した岩石を見ることができる。また、約100~150年ごとの地震の隆起による地形や、隆起によって離水したかっての海中生物の遺骸といった、人間の歴史的な時間スケールで起きたイベントの痕跡も見ることができる。

※写真や表は全て申請書のものを写したもので分かりにくいと思いますが、申請書のイメージとして見てください。原本が見たい方はご連絡ください。(090-3184-9694:植田)

1_2            図A-1:タービダイト層

  北西太平洋最大の暖流である黒潮は、台風による強風と大雨による災害をもたらす一方で、海中で多様な生態系を生み出し、乾期の冬を乗り切るための生活用水の確保にもつながっている。室戸沖のプレートの沈む込み帯は、マグニチュード8クラスの地震をくり返す世界有数の地震発生地帯である。しかし、地震による隆起は海岸に新しい平地を提供する。隆起作用によってつくられた海成段丘では、果物や野菜が栽培されている(図A-2)。 かつて、恵みと災いをもたらす自然は人々の信仰の対象であり、その片鱗を古い街並みや伝統芸能に見ることができる。(図A-3)。私達は、温暖な気候と多様な生態系に支えられて、この大地に魅力を感じながら暮らしてきた。

2_2          図A-2 a:海成段丘 b:大根の収穫 c:柑橘類の収穫

 室戸の人々にとって、自然災害は今なお切実な問題であり、災害に対する関心と教育水準の高さは他に類を見ない。学校やメディアを通じたプレートテクトニクスと地震・津波発生メカニズムの教育、建物の耐震化や災害情報伝達システムの整備、そして行政と住民が一体となった避難訓練が実施されている。災害を最小限んいとどめて豊かな恵みを受けるための方法は、伝統的な家屋や生活様式にも反映されている。室戸ジオパークは、プレートの沈み込み帯における付加作用の科学的な教材のみならず、地震・津波・台風に対する防災の世界的なモデルケースになることが期待できる。

3_2           図A-3:伝統的な祭行事 a:御田祭 b:シットロト踊り

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